比較/レビュー (Part 2): Sennheiser Hd600 と HD650 について
By Brooko
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イントロダクション
以前、当時所有していたSennheiser HD600とHD700の比較記事を書きました。 http://www.head-fi.org/t/725127/comparison-review-a-tale-of-two-sennheisers-hd600-vs-hd700
その比較記事の中で、HD600 の方がナチュラルで自然に近い表現をしているとも。このレビューについて、どの様にHD650とHD700を比べたのかを尋ねられますが (いずれもHD600と比べて、より深みがあり、暖かい感じがすると言われています)。
残念ながらその質問には答えられません。私がHD650を聴いたのは、少なくとも4年前のニューヨークで、HD600とHD650のどちらを買うか決めるため、試聴したのが最後だったからです。
それから色々なことがありました。- 私は650と700を比較できる時間もなかったので、2週間もHD650を借りられることは十分に幸運でした。これは私にとってHD650についての知識を更新し、自分の使っているHD600との詳細な比較を行うとても良い機会となりました。
Head-Fi の仲間には、私にHD650を貸してくださり、この比較ができるようにしてくれたことに対して、心からお礼を言いたいと思います。
もちろん終わった時点で、彼にも報いたく思っています。彼が私のHD600の音を彼のHDVA600で試してみるのを楽しみにしているのは分かっていますので。
それでは一緒にゆっくりと観察してみてください。そして、4年間経過した今の好みに変化が見られるか、HD650の分身であるHD600を選んだ時に、私が下した決断に満足しているかどうかお確かめ下さい。
私について
(考え方や先入観を解釈するためのガイドライン)
私は 47 歳の音楽ファンです。
私は自分をハイファイ愛好家とは思っていません - ただ音楽が好きなのです。
ここ数年で徐々に安物のオーディオギアから脱却をはかってきました。
リスニング環境をポータブル (Fiio X5、X1、そしてiPhone5S) からデスクトップ型のセットアップ (PC > 同軸ケーブル > NFB-12 > LD MKIV > HP)に変えました。
また、稼働中にポータブルのセットアップも使用します - 同様にX5 > HPや、PC > ベイヤー A200P > HPもです。
私がこの記事を書く際に主に使用していたフルサイズヘッドホンは、 Beyer T1とSennheiser HD600です。
私は、携帯で音楽を聞くときはほとんどIEMsで(Beyer T51pも確かに持っているけれど、出かけるときはだいたいIEMsコマンドです)今までのところ、Fidue A83とA81、Dunu DN-1000、それにAltone200を使ってきました。
私がこれまで持っていたオーディオ機器すべてのリスト(過去また現在所有しているものは私のHead-Fiプロフィールに掲載されています)。
私には、クラシック/オペラ、そしてジャズから、グランジや一般的なロックに至るまで、非常に幅広い音楽の好みがあります。
私は、よくブルース、ジャズ、フォーク、クラシック、ロックまたオルタネーティブロックを聞きます。
特に女性ボーカルが好きです。
私は通常、比較的中立的でバランスの取れたヘッドホンを使う傾向があります。
低音のヘッドでも高音のヘッドでもありません (私の好みは明白ですから、議論されても構いません)。
私は高音域に(全く)敏感ではありません。私は過去に、K701、SR325iそしてもちろん前述した T1とDT880のヘッドホンで聞くことをとても楽しんできました。
私は、自分(abx)でいろいろと試してみて、aac256かそれ以上は完全に透明だと分かりました。
スペースに問題がなければ、もっぱらredbook 16/44.1を使用します。
私の持っている音楽は合法的に購入したものです。(ほとんどがCDで、残りはオンラインで購入したFLACファイル形式です。)
またハイファイ愛好家の「主張」を懐疑的に思う傾向があり、通常、バーンインは信じたりせずに、むしろ認識されている違いを隠して自分自身でテストしたいと思っています。
私は特別な耳をもっている訳ではありません。
軽い耳鳴りがすることがありますし、47歳で聴力は完全とは言えません。
これは、私の持っている機器、私個人の聞こえ方また体験に基づくただただ主観的なレビューです。
読者の方の意見と異なる場合などには、是非一意見としてみてください。
過去4年間でHD600を使い込んできましたが(別のものを3回にわたって所有していました)、これは私にとって相当の期間で初めてのHD650再導入なので、書斎にもたらしてくれるいくつかの本質的な強みのいくつかが懐かしくなるかもしれません。
レビュー/比較リソース
このレビューと比較のために、私が両ヘッドホンとよく使用したのは、my NFB-12とLD MKIVです。
どちらのヘッドホンもSPLメーターを使って音量が合わせてあり、恒常的な1kHzテスト音に対して二度ほど調整してあります。
レビューをしている間にも、定期チェックしました。
私はLittle Dotを主に使っていましたが、それは正しい音量調整(ポット上の正確な印付け)と簡単に切り替えが出来るからです。
様々なジャンルの曲を使用しました。使用した曲はhttp://www.head-fi.org/a/brookos-test-tracksの中のリストで見ることができます。
公表されている仕様
HD600 | HD650 | |
公表されているインピーダンス | 300 ohm | 300 ohm |
重量 (ケーブルなし) | 260 g | 260 g |
トランスデューサ | ダイナミック (オープン) | ダイナミック (オープン) |
イヤーカップリング | サーカムオーラル型 | サーカムオーラル型 |
ケーブルの長さ | 3 m | 3 m |
ターミネーション | 3.5mm/6.3mm ステレオ | 6.3 mm ステレオ |
周波数特性 | 12-39000 Hz | 10-39500 Hz |
SPL | 112 dB at 1 kHz (1 Vrms) | 103 dB at 1 kHz (1 Vrms) |
THD | ≤ 0.1% | ≤ 0.05% |
周波数特性グラフ
Headroom に感謝します。
パッケージング
左は HD650 ケース、右は HD600 のケース | 左は HD650 、右は HD600 |
HD600、HD650共に上質で十分幅のあるスポンジのパッドで保護され、ロゴの入った箱に収められています。
構成 / 快適性
左は HD650 、右は HD600 | 左は HD650 、右は HD600 |
両ヘッドホン共ほとんど作りは同じで、HD600を使用している私自身の経験から言って、きちんとメンテナンスすれば、数十年は使用できるでしょう。
すべてモジュラー組立方式でできているHD650 | すべてモジュラー組立方式でできているHD600 |
次の事は、HD600とHD650の両方に言えることです。
両方のヘッドホン共にハードプラスチックで整形されたシェル、スチール製で調整可能なアーム、べロアのパッド、スポンジのヘッドバンドパッドがある。
HD600とHD650両方に言える優れている点は、全てモジュラー組立方式で作られているという点です。
これによってヘッドホンオーナーは、とても簡単にそれぞれの部品を交換するができ、ヘッドホンを長く使用できます。
私が現在使用しているHD600で、ヘッドバンド、パッド、ヘッドバンドパッド、両方のドライバーを交換しました-全て簡単にSennheiserに直接注文できましたし、自分で交換しました。
右がHD650のスクリーン、 左がHD600のスクリーン |
右がHD650のドライバーカプセル、 左がHD600のドライバーカプセル |
右がHD650のパッドとスポンジカバー、 左がHD600のパッドとスポンジカバー |
右がHD650のヘッドバンドの部品、 左がHD600のヘッドバンドの部品 |
HD600/HD650のデザインの弱点はヘッドバンドです。
丈夫そうで、(私の最初のヘッドホンも同じく)カーボン製だったことが見て取れます。
違います。これはハードプラスチック製です。
新しいHD600/HD650は、かなり固いです。
それで私はヘッドバンドが実際より頑丈だと思っていました。
そこで引き伸ばして、それからパチン!
OK - 間違えました(しかも高価な方です)。
傾聴すべき一言 - クランプの圧迫感を和らげたいのであれば、金属のエクステンダーを完全に伸ばして、その部分のみを曲げてみましょう。
Live and Learn - みんな学びながら生きるのです。
HD650のケーブルコネクターとアダプター | HD600のケーブルとコネクター |
ふたつのヘッドホンの目立った違いは(色は別にして)ケーブルです。
HD600のケーブルはちゃんと機能しますが、作りが"貧弱"です。
HD650 のケーブルの方がよくできています。
(私にとっては)ふたつの間に聞き取れる音の違いはありません。
HD600には内蔵型のアダプターを付属したプラグも付いていて、その一方、HD650Plusは標準の6.3mmプラグです。
もし私好みにできるとしたら、HD650のケーブルにHD600のプラグを合わせたいと思います。
HD600の2種類のプラグ | HD650のコネクター(上) vs HD600のコネクター(下) |
快適性が続く限り、HD600とHD650の間に目立った違いは見られません。
RizkiのHD650は、少し新し目なので少しだけ固めです。ですが、素晴らしい快適性がまだ残っています。
HD650のヘッドバンド | HD600のヘッドバンド |
HD650のヘッドバンドパッド | HD600のヘッドバンドパッド |
HD600とHD650両方ともとても軽く、両方のヘッドホンのパッドの寸法は7cm x 4cm(内部)で厚みは2.5 cmです。
どちらとも私の耳をすっぽり覆い、ドライバーのカバーの耳へのフィット感で、問題となることは何もありません。
私はどちらのヘッドホンでも長くつけていられます。
音の比較
一般的な周波概要(上記グラフも参照):
これらはヘッドルームから実際にグラフをダウンロードする前の、私の一般的な注訳です。
HD600は私にとっていつも中立的(ちょっと時にバスが弱い感じ)に聞こえますが、いつもとても自然なヘッドホンです。
私は若い時にはギターを弾き、よくコンサートにも行きました。
私の母と祖母は二人ともピアノを弾きました。
HD600はただ、上述の楽器それぞれのライブでの聞こえ方を平坦にしただけですー何の見せ方も、何の注目もなしにー、ただ実際の聞こえ方を。
低音から中音(中立)部では、DT880といったヘッドホンほど平坦ではないかもしれませんーでも、私にはいつもかなり現実的に聞こえました。
チューニングのおかげでー高音部も不健康な感じになることなく空気感があります。
細かい点が一杯ですー顔面に押し付けられることなく。
HD650は(私の4年前の記憶によると)HD600と似ていますが、もっと暗くて、低音で、空気感が少ないです。
おもしろいのは、私は今目の前にギアと一緒に2つをならべて、音量合わせをしていますが、最初の印象は以前思っていたほど正確ではないと分かってきました。
まず、HD650は暗くありませんー実際はどんな時もHD600と同じくらい鋭敏なように思えます。
音質の面ではいくらか空気感が足りず、それにいくらか低音が大きいですーでも、ここで話しているのは大きな違いではないです。
もっとも顕著な違いは、極端にということではありませんが、HD650の方が聞こえ方が少しやわらかいということです。
サウンドステージ / イメージング:
ヘッドホンカップのサウンドステージ(音空間)をテストするにあたりAmber RubarthのTales of The 17th WardからTundraという曲を選んだ。
トラックは両耳で聞くーだからどのみちいいキューが出るーのですが、イメージとサウンドステージの幅と深さの組み合わせにとってはとてもいいかもしれません。
HD600 と HD650 は、幅、奥行き、高さともほぼ同等の大きさのサウンドステージになっている。
HD600で私がいつも気に入るいいところの一つは、サウンドステージの大きさはAKGのX701/702シリーズや私のT1ほど広がりはないかもしれないけれど、ほとんどの音楽について確かに正確に聞こえることです。
その結果、ゼンハイザーズで聞く音楽のほとんどは信じがたいほど自然に聞こえますーそして、イメージは全く左/中央/右ではありませんーが、ステージ内でもっと均等に感覚が空いているように聞こえます。
HD650も同じ特徴をコピーしており、二つの間で乗り換えてもイメージ全体は変わりません。
微妙な音質の差以外では、このテストで同じヘッドホンで聞いていると思ったかもしれません。
ロリーナ・マッケニットの「ダンテの祈り」に変え(HD650を使用)、私は聴衆のなかのいつもの位置にいますーだいたい後ろから2列目か3列目です。
ロリーナがステージの中央にいて、美しいチェロの音色が少し後側から右の方へかけて聞こえてきます。
もう一度言うとHD600とHD650は区別して言うのはとても難しいです。
この特定の曲について言えば、歌が終わって自然と拍手が起こり、そして余韻にひたります(HD600で)。私は目を閉じ少しの間、本当にコンサートにいるように感じるのです。
HD650はこれに自信を持って対処していますーそして、わたしもまたそこにいるでしょう。
それは魔法にかけられる瞬間ですーそして、ゼンハイザーズはどちらも簡単に伝えることができているものです。
ジャンルノート:
ロック / クラシックロック / プログレッシブ・ロック – テスト済みの楽曲を含みます:
- 「Away from the Sun」 - 3ドアーズ・ダウン
- 「Art for Art’s Sake」- 10CC
- 「The Diary of Jane」 – Breaking Benjamin
- 「Hotel California」 – The Eagles
- 「Sultans of Swing」 - ダイア・ストレイツ
- 「Boulevard of Broken Dreams」 - グリーン・デイ
- 「Elderly Woman Behind The Counter In A Small Town」 - パール・ジャム
- 「Immortality」– シーザー (アンプラグド)
- 「Money」- ピンク・フロイド
- 「Trains」 - ポーキュパイン・トゥリー
その違いは極めて微妙なもので、一晩ならず今夜にも、どっちのヘッドホンを装着していたのか忘れてしまいそうでした。
数分後、(私の耳が慣れてから)聞きましたが、どちらかを選ぶのは全く容易ではありませんでした。
でも、急速な切り替えでパターンが浮上してきており、かつこれは比較的一定しているように思えます。
男性ボーカルに限って言えば、HD650 は少し深く、少し柔らかく、少し滑らに表現してくれます。
HD600が荒削りなわけではありませんーただ、少し空気感の大きな見せ方をしているのです。
ここが、HD650が「もっとも洗練され」ているというコメントの元になったところなのでしょうか。
もしそれであれば、今までのところ聞いたことがありません。
いずれも、同レベルの能力と優雅さがあり、その違いは、ほんの少し音調に差異があるくらいです。
両方ともテンポの速い音楽(曲:Diary of Jane)では少し苦労が感じ取れますが、スローテンポの音楽では、どちらとも全く自然でとても楽しめます。
私のずっと大好きな Pearl Jam の曲へと移ります。私はふたつの事を予想していましたが、どちらとも後で間違っていたとわかりました。
私はヴェダーの声が HD650で深くよく聞こえると予想していましたが、どちらともよく似た聞こえ方で、違いは意識して区別しなければなりません。
確かにHD650の方が微かに音色が深いですが、HD600の方が私の耳には少しだけ、ヴェダーの音色をよく出せていると感じました。
私が持っている二番目の先入観は、HD650はシンバル(このトラックにはたくさん出てきます)とボーカルのコントラストを出せられないというものですーそれでも、HD650はかなりの程度実現しています。
私がわかる限りベールを思わせるものはなにもありません!
判断 - 判定するには僅差すぎます
オペラ / クラシック - テスト済みの楽曲を含みます
- 「Nessun Dorma」 – パヴァロッティ
- 「花の二重唱 (ラクメ)」 – ネトレプコとガランチャ
- 「月光ソナタ第1楽章&第3楽章」- ヴィルヘルム・ケンプ
- 「作品8, 第1楽章, R.269『ラ・プリマベーラ』 - 1.
Allegro」- アンネ=ゾフィー・ムター&トロンヘイム・ソリスト (ビバルディの四季)
- 「チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ニ長調 第1楽章 作品35」- ユリア・フィッシャー
重ねてお伝えしますが、2、3分以上頭に装着しましたが、違いがとても微妙で、二つ別々な感想を述べることが難しくなりました。
いずれもパヴァロッティの「Nessun Dorma」では輝いていました。- どうにかして最上級のテナーボイスの荘厳さを感じさせようとしていました。
しかし、ラクメの「花の二重奏」では、とても小さな違いがありました。
HD600は、ネトレプコとガランチャのボーカルをもう少し軽快にしてくれました。しかし、HD650では、とてもか細く、やや対照的に表現されました (曲の背景が暗めなので、或いはそれを想像してしまっているのでしょうか?)
どちらにしても、この楽曲を両方のヘッドホンで聴くことができました。
LD MKIVと合わされば、その表現力は驚くほど魅力的なものです。
月光ソナタに移ります - すると、いずれのゼンハイザーも違いを見せてくれました。
私の祖母はこのソナタの第一楽章が好きでよく弾いていました。
彼女は、どちらの>ヘッドホンでもこのレコーディングがとても気に入ったかもしれませんがーおそらくHD650は音質の描き出し方の点であまり評価されないでしょう。
ここでは好みの話をしていますが、いずれも素晴らしい音です。
チャイコフスキーとビバルディの楽曲では、いずれも非常に良く表現できていました。そしてまたですが、好みは聴く方それぞれに委ねたいと思います。
ここでの私の好みは、HD600のほんの少し軽快なパフォーマンスです。
ジャズ – テスト済みの楽曲を含みます:
- 「So What」 – マイルス・デイヴィス
- 「ガウチョ」- スティーリー・ダン
- 「Safer」- ガブリエラ・チルミ
- 「Love Me Like A Man」- ダイアナ・クラール
- 「Ruins」 – ポーティコー・カルテット
テストを初めて最初のうちは、ふたつのヘッドホンの調性を区別するのは、難しくありませんでした。
マイルスのトランペットを、大きめの音量でHD650と比べた時に、HD600では少しうるさく感じました (小さな音量で比べた時には、その違いは無くなりました)。
ポーティコー・カルテットの「Ruins」はHD650では、少し暗く、陰鬱な感じがしました。また、個人的にはHD600の方が、多少聴きやすさを感じました。
女性ボーカルに切り替えて、両方のヘッドホンで際立った曲は、ガブリエラ・チルミの「Safer」でした。
これはジャズというよりポップスであるということは知っています。でも彼女の声はやはりジャズのアンダートーンを持っているのです。
いずれも素晴らしい音を出していました。ですが、これは、私が溺愛するHD600よりもHD650を優位に立たせるかも知れない、数ある楽曲の中の一部です。
私には、もうちょっとだけ大きなコントラストの痕跡がみえましたーそして特にこのトラックに関しては、魅力的です。
ポップ/ラップ/ダブ/エレクトロニクス - テスト済みの楽曲を含みます:
- 「Turning Tables」 – アデル
- 「You Know I’m No Good」 – エイミー・ワインハウス
- 「Lose Yourself」 – エミネム
- 「Aventine」- アグネス・オベル
- 「Electric Daisy Violin」 – リンジー・スターリング
- 「Little Man」- リトル・ドラゴン
- 「Royals」- ロード
- 「Tui Dub」 – サルモネラ・ダブ
- 「God Is Speaking」- ザ・フラッシュバルブ
女性ボーカルで、この異なるヘッドホンの間にさらなる違いが出てきたように思えます。そして、その違いは録音状態にとても左右されます。
たとえばアデルでは、私はHD650のコントラストが気に入りましたが、もっと暗い録音のアニェス・オベルの「アヴェンティン」では、比較になりませんでしたーかなりの差でHD600のほうがいいです(私の好みでは)。
「アヴェンティン」でのHD650は、ともかくあの私が聞き慣れている、甘くて少し耳障りのいい音が出ていませんでした。
でも、公平に見ればーここまでの比較と同じように、差は小さいもので、急速なA/B比較でやっと私は差に気づくことができます。
他の楽曲 (エレクトロニクス、ダブ、純粋なポップミュージック)では、好みは録音状態にとても依存する事がわかりました。
もし録音がもう少し響きが思い感じであるなら、私はHD600を好むでしょう。
もしもう少し明るいなら、HD650を好むでしょう。
アンピング / 感度
私のLD MKIV OTLチューブでHD650とHD600を使うとーどちらのヘッドホンも実際は1キロヘルツで同じSPLを実現するのに、ポット上では同じでした。
これは私のX5も同じです。さらに増幅器を追加しなくても、いずれのヘッドホンと同じく素晴らしい音を奏でてくれます。
でも、どちらのヘッドホンもより大きな低音の反応を示したので、LDのほうが好みかもしれません。
これが追加の電圧なのか、チューブの影響なのかは分かりません。
結論
私はHD600のほうが自分にとっていいヘッドホンで、HD650はあまりに色が付きすぎているという結論になると思いつつこの実験に来ました。
今夜、この両方のヘッドホンがオークランドへ向かうための荷造りをします。ですが、気持ちは全く違います。
私には、Sennheiserがドライバーを微かに変更したのかどうか定かではありません。私の耳や好みの聞こえ方が変わったのかもしれません。いずれにせよわたしは、どちらのヘッドホンとも問題なく使用できます。
いずれも構成やモジュール性、快適性、そして多様性において素晴らしいものがあります。ですが、もっと重要な事は両方とも音質的に、そしてその価格に対し「音の出るダイアモンド」と呼ばれることです。
HD650はかなりもっと暗いですーそれに、グラフでは低音部が大きいと知っていますが、それは中音部の上/中音部の下の方の違いほど簡単に聞き取れるものではありません。
HD600のほうが少しばかり明るく、空気感があるようで、これはもちろん暗めのレコーディングでは役に立つのですが、私はレコーディングがより中立的や、少し明るめに偏ったものの場合にいくつかのトラックにHD650がもたらすコントラストを、すごいと思わずにはいられません。
それ以外に私が驚いたことは、HD650が周波数の上限をとても良く表現するということです。
シンバルはとても細かい音が出ていますが、ギターはまだ不足気味です。
これは私が予想していたこととは全く違いました。
私は今すぐHD600を売って、HD650を買うと思いますか? - 答えはいいえです。まだ私はHD600が好きですし、T1から離れたくなったら、HD600は完璧な相棒になりますから。
私はHD600に感謝の気持ちを表して、すぐにHD650を買うと思いますか?
そんなことはありません、その違いがあまりにも微妙で、いずれも違いがあると言えないほど、非常に似通っています。
ですが、もし私のHD600が機能しなくなり、代用品を選ぶ必要があるとすれば、私はHD650を検討するでしょうか?
はい、もちろんです。
もしその価格が競合すれば、乗り換えるのに気のとがめはありません。
最後に一筆 - 貸してくれた私の友人Rizkiに感謝したいと思うと共に、彼が私のHD600で楽しい時を過ごしてくれることを願います。
近日中に、彼にこのHD800を7日から10日ほど貸して貰えないか説得しようと思います。その時には、T1対HD800を比較して書く機会があると思います。
夢を持つことができます....
この旅にお付き合い頂きありがとうございました。今、私はHD650を頭に装着して、ジュリア&アンガス・ストーンをキュー待ちにしながら、顔に笑みを浮かべて、椅子に座り編集作業を行っています。
このレビューについてトークで語ろう!
HD600 vs HD650